乳酸菌といえばビフィズス菌や、最近ではR-1、LG21といった名前をコンビニなんかでよく見かけますが、何か体にいいものというイメージはありますよね。
ヨーグルトはその代表的な食品ですが、乳酸菌とは、もともと炭水化物、ブドウ糖などの糖を分解して乳酸を作りだす細菌の総称のことで、腸内細菌のバランスを整えるなど、健康に有益な菌のため「善玉菌」とも呼ばれています。
しかし、これまでのそういった、私たちがよく知っている乳酸菌とは、次元の異なる機能を持つ乳酸菌が現れました。それがプラズマ乳酸菌です。
プラズマ乳酸菌って何?
では、そもそもプラズマ乳酸菌とは何でしょうか?
これまでにも、特定の乳酸菌に、一部の免疫細胞を活性化させる機能があることは広く知られており、その機能を活かして商品化もされておりますが、このプラズマ乳酸菌は、「プラズマサイトイド樹状細胞(pDC)」という免疫細胞の司令塔となる細胞を活性化させる機能があることが分かりました。
免疫細胞の司令塔って何?と思う方もおられると思いますが、免疫細胞には「キラーT細胞」や「NK細胞」など、いくつかの種類があり、これらの免疫細胞全体の司令塔になっているのが「プラズマサイトイド樹状細胞(pDC)」 となります。
分かりやすくスポーツで例えると、免疫細胞というプレイヤーたちがいて、そのプレイヤーたちを監督しているのが、司令塔の細胞といった関係になります。
そしてこの司令塔となる細胞 (pDC) を活性化させることにより、免疫細胞全体が活性化され、体全体の免疫機能が強化されます。
ちなみに免疫細胞に司令塔となる樹状(じゅじょう)細胞があることを発見したのは、カナダの免疫学者・細胞生物学者のラルフ・スタインマンという人で、この功績で2011年にノーベル医学賞・生理学賞を受賞しています。
プラズマ乳酸菌の発見
免疫細胞に司令塔となる細胞があることはわかりましたが、その司令塔となる細胞を活性化させる乳酸菌はないのか、その課題に取り組み、2010年に世界で初めて、その乳酸菌を発見したのがキリンでした。
ただし、その菌は非常に扱いづらく、食品化がきわめて困難な菌でもありましたが、小岩井乳業と協和発酵バイオもこの事業に協力して取り組み、ついに商品化を実現することが出来ました。
ちなみにプラズマ乳酸菌のプラズマという名称の由来は、司令塔のプラズマサイトイド樹状細胞に働きかけるところから、仮名として『プラズマ乳酸菌』と名付けたものが、そのまま実名になってしまったそうです。
プラズマ乳酸菌の効果
プラズマ乳酸菌を摂る最大のメリットとは何でしょうか。それはズバリ「免疫力の向上」と言ってよいでしょう。
薬事法の関係で、キリンも商品パッケージには「健康な人の免疫の維持をサポートする」としか書いていませんが、従来の乳酸菌が特定の免疫細胞のみに働きかけるのに対し、プラズマ乳酸菌は免疫細胞全体の活性化を司令塔に働きかけるため、その効果はより大きくなると考えられます。
ちなみに岩手県雫石町の小中学生を対象に、2015年1~3月の期間、プラズマ乳酸菌を含有するヨーグルトを週3日配布し、雫石町に隣接する7市町のうちインフルエンザ流行パターンが類似していたA町(329人)と雫石町(1,255人)のインフルエンザ累積罹患率を比較したところ、A町の小学校の罹患率が31.73%だったのに対し、雫石町の小学校が22.69%、A町の中学校の罹患率が19.83%だったのに対し、雫石町の中学校が15.16%と明らかな差異が見られました。(出典:Health. 9:756-762.2017)
他にもプラズマ乳酸菌が免疫機能の維持に役立つ研究報告が出ていますが、今、かつて経験したことのないコロナ禍の中で過ごしている私たちにとって、手洗い・マスク・ソーシャルディスタンスといった最低限の自衛対策だけではなく、自分の身体の中の免疫力に対して、もっと注意を向けても良いのではないかと思います。
そして、そのような人にとって、このプラズマ乳酸菌は、強い味方になると思います。一度試してみてはいかがでしょうか。