定年オヤジ改造計画

映画にもなった「老後の資金がありません」がとても面白く、この時初めて、垣谷美雨さんを知りましたが、本屋さんで、同じ作者のこの文庫をたまたま見つけ、買ってみました。

書かれているオヤジは、ちょうど自分と同じくらいの年代ですが、それにしては奥さんや娘に対して、少し上からだなあ・・これは自分達より5~10歳ぐらい上の世代のやることで、自分達の世代はもう少し気を使うなあ、と思いながら読みました。

しかし、家事や育児に対する考え方は、この10年ほどで大きく変わってきたと感じてはいましたが、その認識がまだまだ浅いということを感じさせられました。

育児の仕事

定年オヤジが息子夫婦の孫の面倒をみる事になり、それが中心となり物語は展開していきますが、男はどうしても育児について、女性が本能として持っている役割であり、辛いことや大変なことがあっても、全て母性愛で乗り越えられるんだ、と思い込んでいるところがありますが、それは男の自分勝手な妄想であることを思い知らされました。

小さな子供達を見て可愛いと思うのは、男性も女性も変わりがありませんが、同様に小さな子供達の面倒をみる事も、男だから負担に感じて、女だから負担に感じない、などということはありません。

まあ、このような勘違いは、以前ほどではありませんが、まだまだあるんでしょうね・・

更に定年オヤジは、この年代にしては真面目で家族想いなのですが、いかに妻に対する配慮がなかったか、妻が傷付いてきたか、を娘から聞かされ心から反省します。

うっせぇわ

Adoさんの歌う「うっせぇわ」は、若い女性の本音が吐き出され、強く惹き付けられるものがありますが、かつては誰もが体裁をつくろいながら生きて、それで世の中が回っていきました。

しかし、これからはそうはいかないこと、男も女も、それぞれの本音に向き合い、上手に付き合いながら生きていかなければならない事を、この本を読んで感じました。

自分を脱皮させ改造させる良い本だと思います。

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